売り場の救世主「AI」
小売店は人件費が経営を圧迫しているもので、人員を削るとサービスの質が低下する問題があります。
そんな人件費に悩む売り場の救世主として注目されているのがAIです。
大企業では在庫管理や仕入れ、顧客の分析をAIが行っているケースもありますが、中小規模の小売店ではAIを採用した接客ロボットの需要が拡大しています。
有名なのはペッパーくんですが、昨今はタブレットひとつで導入できるAIツールなど手軽なシステムも増えています。
今後間違いなく小売店におけるAIの活用事例が増えていくので、すぐに導入する予定がなくても早めに調査を行っておくようにしましょう。
AIロボの導入費用
AIロボに興味はあるけど費用が気になっている経営者の方も多いでしょう。
参考までにソフトバンクの販売するペッパーくんは、本体価格198,000円+基本パックや保険オプションで月額およそ2万円の3年契約です。
初期費用は総額22~23万円。3年総額で100万円~が最低料金になるので、決して手軽に導入できるものではありません。
それでも、3年契約の総額を1ヶ月あたりの単価に直せば2万8千円程度なので、受付の人員を削ることができれば人件費を大幅に節約できます。
繁盛店など受付だけにスタッフを用意している場合、時給1000円×8時間×25日稼働で20万円の人件費がかかるので、AIロボを活用すれば運営コストを4分の1程度に抑えられます。
今後は在庫管理をAIが行う時代に
現在、幅広い小売店に導入されているAIは接客ロボが中心ですが、2019年には大手チェーン店やメーカーが幅広い小売店向けAIツールを導入して話題になりました。
代表的なツールはリテールAIカメラで、在庫をカメラで認識させることで不足分や売れ筋商品を分析して仕入れや在庫量の調整を行います。
近い将来には、販売状況や利幅などから値段設定もAIが指南する方向へアップデートしていくでしょう。
今後は中小規模の小売店向けのAIツールが充実していく見込みで、将来的には陳列やディスプレイの方法もAIが提案する時代に変わっていくかもしれません。
在庫管理や仕入れをAIが行うようになれば、棚卸や発注業務の負担が軽減されるメリットがあります。
話題になった渋谷パルコの事例
AIの話からは少し逸れますが、2019年11月22日にリニューアルオープンした渋谷パルコは店頭での販売を行わない販売手法で話題になりました。
渋谷パルコは商品の展示が中心で、お客は商品の現物を見たり試着をして気になった商品をネット通販で購入する仕組みです。
アパレルをはじめ幅広い分野で通販の需要が伸びていますが、今後は食品以外の幅広い小売店で通販サイトに対抗した販売手法が普及していくでしょう。
小売業界はこの先もIT化が進んでいく見込みなので、経営者の方は最新ツールの調査を逐次行うようにしましょう。