楽天・Amazonの影響
小売店の経営者なら楽天・Amazonの大手ECサイトがシェアを大きく奪っていることを実感していることでしょう。
小売店で働いているけど自分が買い物をする際は通販を利用しているケースも多く見られます。
従来のネット通販は店頭で買えないものを手軽に購入できるサービスでしたが、楽天・Amazonは日用品でもお店より安く買えるようになり、身近な買い物から通販中心の生活になっている人が増えています。
絶滅する業種が出てくる可能性
楽天・Amazonの影響によって小売店が淘汰されてきています。
ネット通販需要はこの先も拡大していく見込みで、スマホなどからポチるだけで自宅に届く利便性もあるため、小売店が価格で対抗しても通販需要の拡大を食い止めることは厳しい状況です。
将来的には楽天・Amazonの影響で一部の業種が絶滅するかもしれません。
アパレル店は展示場へ変化?
2019年11月にリニューアルオープンした渋谷パルコでは、店舗で販売をせず展示だけする販売手法で話題になりました。
お客は店頭で服の現物確認や試着をして気に入ったらネットから注文する仕組みで、お店側は在庫を持つ必要がなく幅広い商品を展示できるメリットがあります。
この先、アパレル業界では展示場化が進んでいく可能性が高く、中小規模の小売店が品揃えで対抗することが困難になるかもしれません。
渋谷パルコのような販売方法は家具や家電とも相性がよく、この先は幅広い業種に波及していく見込みです。
大型店舗が多い家電量販店は在庫を少なくできる分だけ家電以外のものを展示していくように変化する可能性があり、ネット通販だけではなく大型店にも中小規模の小売店はシェアを奪われる懸念があります。
展示だけ行って通販で売る手法の場合は、商品だけ見て価格の安い楽天・Amazonもしくは価格.comで買われてしまう懸念があるため、中小規模の小売店はオリジナル商品の販売を除いて大手の真似をすることが難しいです。
在庫販売をしない展示スタイルが主流になれば、小売業は大手への一極化が進んでいくでしょう。
安泰なビジネス
ネット通販がシェアを拡大しても安泰を見込まれる小売業とその理由をまとめました。
スーパー、肉屋・魚屋・八百屋など
- 生鮮品は物を見て買いたい需要が高い
- 今日の献立を調達するには店頭購入が必要不可欠
- 米や飲料は送料の都合で通販だと割高
車の部品量販店
購入したパーツをお店に併設されたピットブースで取り付ける需要がある
100円均一
価格で見てもネット通販に対抗できる商品が多い
お土産屋
観光などのお土産は通販で購入する需要が低い
上記はあくまでも一例です。
安泰な業種でも一部の商品はネット通販にシェアを奪われる懸念があるため、小売店のラインナップが変化していく懸念があります。
将来的には通販で買うものと店頭で買うものの二極化がより顕著になっていくでしょう。
小売店は先手を打つ必要がある
楽天やAmazonの勢いが加速しているのは紛れのない事実です。立地や業種によってはそれほど大きな影響が出ていないこともありますが、この先通販需要は間違いなく増加していきます。
まとめ買いの送料割引やポイントなどを目的に、お店より通販サイトでの買い物を優先する人が増えていく見込みなので、小売店は影響が軽微なうちから対策を講じる必要があります。
通販にシェアを奪われにくい商品を開拓したり、新しいサービスを導入するなど楽天・Amazonの売上が現在の2倍や3倍に拡大したとしても生き残れるスチームを今のうちから考えてみてください。