集客につながる店舗照明のコツ
店舗照明は集客とお客さま満足度に大きな影響を与えます。
そして適切な照明の明るさはターゲットになる客層や業種、お店のスタイルによって大きく変わります。
たとえばファミレスなら明るい照明がベストですが、カウンター席のみの小さなBARでしたら薄暗い照明にするのがセオリーです。
また、店舗全体の明るさだけではなく、フロアや陳列棚など部分的な照明にこだわることも大切です。
お店への入りやすさ
店舗は照明によって入りやすいお店なのか変わってきます。
冒頭で紹介している通り、ファミリー層を狙った飲食店は明るめの照明にすることで手軽に利用できる雰囲気になります。
実用性を重視するなら照明は明るい方がいいですが、カップルのデートやお一人様のお客が多いカウンターBARではどうでしょうか?
ファミレスのように明るい照明だと落ち着きませんよね?
また、照明は明るいほど大衆向けのイメージを与えてしまうため、高級寿司店や高級焼肉店では、明るすぎる照明は安っぽさを出してしまう恐れもあります。
逆にリーズナブルな料金で勝負しているお店が、薄暗くして間接照明を際立たせると高そうな雰囲気になってしまい、狙っていた客層とマッチしません。
このように店舗照明はメインになる客層が入りやすいと感じる明るさにすることが大切です。
明るさ=色温度
基本的なことですが、店舗照明の明るさはライトの強さだけではなく、色温度が重要です。
色温度は「ケルビン(K)」という単位で表されていて、5,000~8,000ケルビンだと白っぽくて明るい照明の昼白色。
ショッピングセンターやスーパーマーケット、コンビニなどは5,000K前後の照明を使っています。
ケルビン数が低くなるほど赤みのかかった暖かい色合いになり、BARなど薄くらい店舗は電球色と呼ばれる2,700~3,000Kくらいの照明を使っていることが多いです。
ケルビン数が8,000を超えると青みがかかった色になり、眩しさを感じるようになります。
車のヘッドライトカスタムでは8,000ケルビン以上に上げる需要がありますが、店舗照明では基本的に青みがかった照明を使いません。
ちなみに光の総量を表す単位はルーメンと呼びますが、店舗照明ではルーメン数にこだわる必要性は低いです。
フロア面積に対して照明を設置できる箇所が極端に少ない場合は、ルーメンの高い照明を活用するとよいでしょう。
適度に照明を設置できる場所があれば、ルーメンは無視してケルビン(色温度)で雰囲気を調整するのがセオリーです。
暗すぎるのはリスク大
BARなど薄暗い照明が好まれる店舗でも、極端に暗い照明だと新規客が入りにくく感じてしまいます。
パッと見た感じで暗すぎると感じるお店は常連・紹介客が多い共通点があります。
暗めの照明を好む客を取り囲むことはできますが、新規客への集客にはマイナスになってしまうことを覚えておきましょう。
雰囲気重視だったお店が、オーナーの意に反して照明を明るくしただけで売上大幅アップに繋がった事例がありますよ。
成功事例からヒントを得よう
店舗照明による演出で成功した事例を集めてきました。
環境によっては有効にならないこともありますが、真似できることや応用できそうなことがないか考えながらご覧ください。
料理人をメインにした照明
客席よりも厨房を明るくして、料理人を際立たせる演出です。
高級寿司店やブッフェレストランのライブキッチンなどでよく見られる手法。
料理する姿に魅力がある際に有効です。
ウォールライトの活用
ウォールライトとは壁を照らすライトのことで、空間を広く見せる効果があります。
フロアの狭い小売店や美容院が開放感を出す目的でウォールライトを多用することで、開放感を高めることが可能です。
業種によっては「お店が狭い=安っぽい・信頼性が低い」と思われてしまうことがあります。
だからといって広いフロアのテナントは賃料の問題が大きいですよね?
狭いスペースを有効活用したい場合は、間取りや収納の工夫だけではなくウォールライトを活用して圧迫感を軽減する努力をしてみてください。
スポットライトの活用
ライブや演劇などで使われるスポットライトは、一部を目立たせる効果があります。
店舗照明でも上手に活用できれば売上・お客さま満足度のアップに繋がりますよ!スポットライトの活用事例をご覧ください。
- 一押し商品の棚をスポットライトで照らす
- スナックでカラオケを歌う人をスポットライトで照らす演出をする
- 観葉植物をスポットライトで照らして暖かい雰囲気を演出
- 天井方向から料理を照らすスポットライトを設置し、料理写真をインスタ映えさせる
シンプルな照明に戻す
小規模な店舗を経営していたAさんは、店舗の雰囲気を高めようとスポットライトや間接照明を少しずつ自分で買い揃えていました。
しかし、小刻みにライトを追加していったせいか、素人感が出てしまっていることに気付いて全てを取って元の状態に戻しました。
すると自然に新規来店客が増えたほか、清潔感があるなど店舗内の雰囲気に対するポジティブなネットレビューが寄せられたようです。
間接照明やスポットライト、ウォールライトは相応の設備費用がかかりますが、闇雲に設置すればいいワケではありません。
照明にこだわりたいのであれば、専門業者へ任せた方が無難です。
照明に高額な費用をかけたとしても、雰囲気がしっくり来なかったら元に戻す勇気を持ちましょう。
シンプルな照明に戻したAさんは、不要になった照明をメルカリで売ることで半分くらい回収できたようです。