「イオン」は何が凄いのか?
小売業で業界1位に君臨し、現在も成長を続けているイオンの影響によって、近隣の商店街はシャッター街になるケースが増えています。
中小規模の小売店が衰退している要因は大手にシェアを奪われていることが明確で、その代表的な存在になっているのがイオンです。
今回は、イオンは何が凄いのか成長している要因をまとめました。
買収を繰り返して大手の強みを高めた
イオンは以下の業者を買収して傘下に収めています。
- マックスバリュー
- マルエツ
- ダイエー
上記はあくまでも一例で地方の中小規模のスーパーマーケットも多数買収しています。
ほかにも、コンビニのミニストップもイオンが立ち上げた経緯があるなど、小売業界では想像以上にイオンの勢力が巨大化しています。
イオンは買収を繰り返しながらも、マックスバリュー、マルエツ、ダイエーなど既存店舗は名称を変えずに運営しているのが特徴です。
買収された側は経営権を奪われるなどデメリットが多いように感じますが、イオン傘下に入ることで仕入れコストを安くして、イオンの自社製品を扱えるメリットがあります。
このように買収して事業規模を拡大させることで、これまで以上に大手の強みを活かして中小規模の小売店と差別化を図ってきました。
中小規模の小売店はイオンの自社製品に対して3流メーカーの格安商品で対抗しても信頼性で劣るため、真っ向勝負では太刀打ちできないのが現状です。
ポイントプログラムと定期的なセール
イオンは全店共通のポイントカードを用意しているほか、無料発行のポイント会員になると20日と30日が5%オフになるなど定期的なセールを開催しています。
グループ店によるポイントの相互利用や、大手ならではのテレビCMなどで定期セールを告知することでグループ全体の集客力を高めています。
このほか、昨今は専用のスマホアプリを導入し、ユーザー獲得のために常時3%OFFクーポンを発行するなど、消費者心理をくすぐるサービスが満載です。
規模を大きくすることによって、アプリの開発費や広告費の1店舗あたりの負担を軽減させることで効率的な集客を行っています。
中小規模の小売店は単独サービスで対抗することが難しいですが、大手と提携したポイントプログラムや小売業向けのWebチラシサービスなどを活用すれば、イオンとの差を埋められるかもしれません。
不動産戦略
イオンは元々はジャスコとして中小規模のスーパーを展開していましたが、昨今はイオンモールをはじめとしたショッピングモールの開発に力を入れています。
テナントではなく自社で集客力の高い大型複合施設を開発し、小売業のネックになる家賃を収益化させたことで利益率を大幅に高めました。
開発することで元からある土地以上の価値にし、さらにモール内には一般の業者をテナントに入れることで家賃収入を確保しています。
さらに、大型店舗による集客効果によって、保険相談窓口など幅広い事業を拡大して相乗効果を出しています。
中小規模の店舗でも、売り場を縮小してテナントを入れる事例が増えています。
所有する不動産で売上が低迷している場合は、イオンのような不動産戦略で経営を立て直せるかもしれません。